Translate

2012年6月10日日曜日

PET板でスクリーン工作




長いスクリーンが似合う感じなので↑の様な物をこしらえてみた。

ちなみにノーマルスクリーンは↓の様な感じ。




イタリアのGIVIのANTISHOCKスクリーンという商品がPET板か塩ビ板の様な柔らかい材質で出来
ていて、それが立ち気味スクリーンの物でもなかなか丈夫。
かなりスピードが出ててもしならない。
別のバイクに丁度これがついている。
それじゃってんでPET板で工作してみる事にした。

しかしながら素人の曲げ工作だと、商品みたいな厚い物じゃ上手く作れ無さそう。
とりあえず2mm位でいってみることに。
それほど速いバイクでもなし、風防効果もあまり期待できないお洒落パーツみたいなもんだしw。
でもホームセンターでは2mm厚の大きいサイズが品切れで、やむなく1.5mm厚を購入。
ペラペラ。
これを切って現物あわせ。




上の写真みたいに下側はなるべく綺麗に切って合わせ、端をテープで止めてそのままヒートガン
で直炙りw。
カウル材質は明らかに軟化点がPET板の85度より高いので、現物に合わせて炙って曲げてしまっ
た。
手任せでまかせ出たとこ勝負で、さらに削って切って合わせて、炙って曲げて合わせて、下部を
裏から水性塗料で塗って穴開けて、縁にゴム貼って完成。



見た目はまぁまぁ。
もちろんチリが合ってなかったり歪んでたりw。
曲げて強度も稼いだが、それでもやはりペラペラ。
特にスクリーン上部に風
を受けると、ノーマルネジ部が下の方なのでカウル上端部付近が浮く。
対策でカウル上端部にもネジを追加。
これでかなりしっかりした。
強い向かい風では走れていないが、角度も付いているしノーマルの最高速度位なら問題なさそう。




手任せでは再現性が無く、たまたま今回はそこそこ上手くいっただけなのかもしれないので、も
う少し手順を考えてちゃんと備忘にまとめておく。

材料。
残り材料でノーマルスクリーンサイズがもう一枚作れそうなんで試してみる。
GPET、1.5mm厚の450x600mmって物。
片面に保護シートが付いている。
透明度は結構高くてクリアだとアクリル並みかな?。



曲げの手段。

切れ端で湯気、熱湯、ドライヤーを試してみる。
いやこれ順番がまったく逆で、本来は最初に長いのを作る前にやっておくべき準備w。
これで実際に使う手段を事前に長めに試し、加熱時間や曲げの力具合を知っておく方が良い。
とりあえずやかんで湯を沸かし、湯気と熱湯のテスト。



手袋はゴム引き軍手の上にラテックス手袋。
材料を加熱して柔らかくしすぎた場合、手で押す力が強すぎると軍手みたいな手袋では布目が
PET材表面に写ったりしてしまうらしい。
それの防止にもう一枚上に薄いゴム手袋を装着。
滑りにくいしね。

ここから先は火傷、火の元の注意は自己責任。
手段に応じて火傷をしないような手袋装着、発火、火傷に注意。



やかんの口の湯気で炙って手で曲げてみたパターン。

部分的に加熱して、少しずつ曲げるにはなかなか良さそう。
90度曲げて、そこからまた90度捻る様な曲げ、さらに90度曲げたりも簡単に出来た。
材料が広く熱くなりすぎず、部分的に曲げるにはなかなか使い勝手が良さそう。
広い面は逆に向かない。



お湯をかけて手で曲げてみたパターン。

これは無理だわ。
お湯をかけただけじゃ材料が加熱されず、何度かかけてやっとこの程度曲げられた。
浅くて広いトレイで湯を沸かし、そこに浸して曲げるような使い方ならいけるかも。
他にコンロの火で炙る手もあったが、ラテックス手袋してるし材料を焦がしたりすると面倒なん
で試さなかった。



ドライヤーで炙って曲げたパターン。

1200wの物を使ったが、口を直接板につける位で長時間炙ってやっとなんとか曲がりだす位。
これも少しだけ曲げる位なら兎も角、広く曲げるには使えないわ。
2000wクラスのドライヤーとか、もっと薄い板ならもう少しなんとかなるかもしれんが。
で結局、やはりヒートガンが使いやすくて楽って結論。
まぁ最近はストレートのセールで2千円位で売ってる事もあるし。
他にも電気ストーブとかコンロとか広く炙る手段がありそうだが、それらはきっちり断熱する手袋
が必要だと思う。
熱を部分的には加えにくいから。

次に曲げの手段をもう一つ。



最初の冶具を作り、2番目みたいに手のひらの上にオリジナルスクリーンをPET板を重ね、3番目
の様に冶具の布を被せ冶具の紐を踏み、4番目の様に手で押し上げ曲げてオリジナルスクリーンと
PET板を密着させる。
これで布の上から加熱して、簡易ヒートプレスっぽくする算段。
ヒートガンで炙ったけど、失敗しましたがなw。
布が厚めで断熱してしまうわ、それでも頑張ってヒートガンで炙ると布が焦げ始めたw。

あきらめて、ヒートガン直炙りで手曲げの最初の手段に戻りました。



上のセットが最終のヒートガンで曲げたパターン。



1.材料の保護シート面を下にして元スクリーンに乗せ、上下をテープで軽く固定。

2.中央から右手に向け、ヒートガン全開で満遍なく広く炙って加熱する。
  暖まると板がしなってくるので、手で中央から端に向けて満遍なく曲げて下のスクリーンと
  密着するように型押し。
  端の部分は特にきっちり密着するように。
  曲げや密着が足りない所は、また炙って密着するように曲げる。
  中央から端に向かってが基本。

3.右半分が曲がったら裏返して端をテープで固定。

4.左半分も同じ手順で中央から端に向かって炙って曲げる。

5.裏から元のスクリーンの端に沿ってマジックで縁取る。

6.1.5mmだと普通の鋏でも切れるけど、キッチン鋏や工作鋏の様な力が入る物の方が切り易い
  です。
  材質が柔らかいのでカッターなどより鋏が切り易そう。

7.とりあえず切り出しまででノーマルサイズのスクリーンが完了。

後はスクリーンの周りをペーパーなどで削ってカウルの合わせ面に合わせ、取り付け穴を開けて
保護シートを剥がせば概ね完成。

スクリーンの端は、ある程度細かいペーパーで均して筆塗りのプラモデル用接着剤などを塗ると、
ペーパーで磨いた白さが消えて端が透明になります。
ノーマルスクリーンの様に黒くする場合、裏面側を塗ると表から見てムラが出難く透明なスクリ
ーン越しで艶の有る色になります。
溶剤のきついラッカー類はたぶんPET材を侵して駄目で、そもそもPET素材って塗料がのらない
類なんで外側塗装はむかないと思う。
水性で裏から色をのせて、こすれて剥がれ難いって程度が限界かなと。

結局ヒートガンの炙り曲げになってしまいましたが、型に押し当てて作る分フリーハンドで曲げ
たりするよりは繰り返しで同じ物が作り易いと思います。

以上。

** 2017/5/27 Bimota YB9SR のPET板スクリーン **